iPhoneで月食を撮ることは可能か

スマートフォンで月食を撮ることは可能か

 
月食

 2018年は2回も月食があります。


 1月31日宵から2月1日未明にかけてと7月28日の夜明け前です。
 1月31日の月食はとても好条件で、20時48分に月食が始まり、0時12分に月食が終わります。皆既状態の継続時間は1時間17分にも及び、その間 赤銅色に変化した月を楽しむことができます。
 7月28日の皆既月食は3時24分に始まります。しかし、残念ながら皆既状態のまま4時49分に地平線へと沈みます。

そこで本題、

スマートフォンだけで月を撮ることは可能か

 答えは簡単。双眼鏡や天体望遠鏡を使えば可能。携帯単体では不可能です。
スマートフォンの望遠倍率では月を鮮明に写すことは難しいです。しかも、ほとんどのスマホがある一定の倍率を超えるとデジタルズーム(トリミング)になり、急速に画質が悪化します。

スマートフォンと双眼鏡だけで月食を撮ることは可能か

これについては、ちょっと気になっていたので実際にiPhoneXを使ってやってみました。使用した道具はiPhoneと双眼鏡のみです。三脚も使用せず完全に手持ちです。

使用したのは、下の二つです。


ビクセンの方は口径が5センチと天体観測向け、ニコンの方は見かけ視野60.3度と広視界。一般的には口径が大きいほど天体観測向け(瞳径の話は省略)となりますが、月は明るいので関係ありません。普通の家庭にある双眼鏡のスペック(倍率や口径)はニコンの方に近いでしょう。

 結果は?


双眼鏡で撮影した月
ビクセン アスコット 7×50を使用

双眼鏡で撮影した月
ニコン モナーク7 8×30を使用


 ニコン モナーク7で撮影した月の方が若干、鮮明です。多分手振れとかピントの関係でしょう。
 iPhoneのカメラのセンサーサイズと画素数の関係上、このくらいが限界だと思います。これ以上トリミング(ズーム)すると画質が荒くなります。
 

スマートフォンと双眼鏡だけで月を撮影するコツとしては

・双眼鏡を柵になどに押さえつけ極力、固定する。
手持ちでは難しいです。双眼鏡は何かに手で押さえつけましょう。
・スマホのズーム機能は使わない。撮った後にトリミングする。
ズームは手振れの原因となります。撮った後に写真をトリミングして拡大しましょう。
・デフォルトのカメラアプリは厳しい。
 今回はprocamというアプリを使用しました。デフォルトのアプリでは月が明るすぎ、被写体が白く飛んでしまいます。ISO感度を下げるかシャッタースピードを速くすることができるアプリを使いましょう。ちなみに、シャッタースピードは速いほど手振れしません。
・今回の撮影方法の原理はコリメート法
 詳しくはこちらへ コリメート法の原理


 ただし、この方法で月を撮ろうとするとなかなかうまく撮れずにものすごくイライラします。
 月食のハイライトまで、30分は練習時間とった方がいいかもしれません。



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