山にはコーヒーか紅茶か
私は物心ついた時から家にインスタントの安いコーヒーしかなかったためか、俗にいうおいしいコーヒーというものが受け付けなくなってしまった。安い泥水のようなブラックコーヒーこそ安心する。
ただでさえ、山に来ると興奮して眠れなくなるのに高いコーヒーを飲むと余計に眠れなくなる。
しかし、山に行く仲間はそれを許さない。
意地でも、自分の持ってきた高いコーヒーを飲ませようとしてくる。
安いノーブランドのインスタントコーヒーを飲んでいようもんなら、何故か憐みの目で高いコーヒーを恵んでくれようとする。
巷にはあんなのやこんなの(下記参照)みたいなお洒落なコーヒーがあふれているが、なんだか、何だかいかに山でお洒落にコーヒーを淹れて飲むかの競争をしているようで疲れてきた。ごくまれにコーヒーミルを使って豆から挽こうとする輩がいるが正気の沙汰ではないと思っている。
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紅茶派に転向宣言
なんかもう面倒になったので、コーヒーに一家言ありそうな人と山に登るときは、自分は紅茶派であることを宣言することにした。
自分の周りには、あんまりコーヒーと紅茶の知識を両立させている人はいない。
だからこんな感じでトワイニングの色とりどりのティーパックを出してエレガントにティータイムを始めると一発でコーヒーにうるさい奴を黙らせることができる。
ブリティッシュジェントルマンにコーヒーなどという無粋な飲み物は不要なのである。
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紅茶派は少数派であるから、トワイニングのティーパックで茶を入れ始めたところで、いちいち俺の紅茶のが洒落てるだの味がいいだのの議論に発展せず、温かい目で見守ってくれる。
個人的にいろいろ飲み比べてみて一番おいしいと思うのはレディ・グレイである。
アール・グレイの改良版らしい。とにかくさわやかである。紅茶といえばダージリンくらいしか飲んだことのなかった私は、このさわやかさな香りに感動を覚えた。
飲み続けていると、時折しつこさを感じるのでその時はアールグレイを飲む。
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次に好きなのはイングリッシュブレックファスト。
苦くて渋い。牛乳と砂糖を入れて飲むものらしい。
しかし、幼い時に爺さんに玉露を飲むことを強要させられていた私には、そんなものは不要。苦さと渋さを楽しむ余裕すらある。
基本的には馬鹿舌なので、こういうガツンとくる系の飲み物は好きである。安いコーヒー然り。
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こんな感じで、昨今のお洒落でおいしいコーヒーを山頂で飲もう競争に疲れた人は紅茶に転向してみてはいかがだろうか。
誰にも邪魔されずに、仲間から外れ一人で静かにティータイムを楽しめること請け合いである。
誰にも邪魔されずに、仲間から外れ一人で静かにティータイムを楽しめること請け合いである。
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