2016年のペルセウス座流星群は観察には好条件
- 8月12日(金)が極大日(観測チャンスは前後1週間)
- 今年は月が夜半に沈むため好条件、北東の空を見上げよう
- 流星観測に特別な道具は必要ありません
夏の風物詩となったペルセウス座流星群。今回は流星群の観察方法についてまとめてみました。
流星群とは
夜空を見ていると流れ星が音もなく横切っていくことがあります。流れ星の正体は直径数ミリ程度のチリが秒速数十キロという速さで大気圏に突入し発光する現象です。
なぜ、流星群では流れ星がたくさん見られるのでしょうか。
答えは簡単!太陽の周りをまわっている地球がたくさんのチリの中に突入するからです。
このチリは彗星が通った後にまき散らされたもので、年に一度地球が太陽の周りを一周して戻ってきたときにチリの中を通ります。すると、地球の重力に引き付けられたチリが、宇宙から地表に向かって落ちてくるわけです。
どのように観測したらよいか
まず、冒頭にも書きましたが2016年はペルセウス座流星群の観測には好条件です。
なぜなら、月が夜中に沈むからです。
流星群は周りが暗いほうがよく見えます。かすかな光なので、月明かりがあるとグンと見える個数が減ってしまうからです。
なので、新月か月が沈んでいる状態が観測に適していることになります。
2016年8月12日は深夜0時前後に月が沈みます。そこから朝方までが観測のチャンスです。
ちなみに見るだけであれば、必要な道具はほとんどありません。
逆に、天体望遠鏡や双眼鏡を使っても流星を補足できる確率は0に等しく、仮に見えたとしても光の筋のようなものしか見えないでしょう。なんせ、相手は何十キロも離れたところにあるチリなので。
また、流星を見に行くときはできるだけ暗くて、周りが開けている場所を目指しましょう。
例えば、山の上とか…
ずっと宙を見上げていると首が痛くなるのでシートや茣蓙を持っていくとよいでしょう。
その際は、車にひかれないように周囲の状況に注意!河川敷で寝ながら観察していた、私の高校時代の友人は、車に轢かれた死体だと間違われて通報され、パトカーがいっぱい来たそうです。
流星群を写真に撮りたい
流星群の写真撮影は確率勝負です。
構図を決めたら、そこに流星がいい感じで写ることを期待しながら、シャッターを切り続ける、もしくはシャッターを開け続けるのみ。手持ちでの写真撮影は不可能なので必ず三脚を用意しましょう。
- 長秒時撮影が可能な機種(一眼レフ、ミラーレス、ハイエンドコンデジなど)
一枚撮りの場合
おすすめの設定は、マニュアル露出 「シャッタースピード30秒、ISO感度 1600、絞り(F値)開放」
でカメラ内機能もしくはレリーズを使ってシャッターを切り続けます。
流星は狙ったところには落ちてくれません。運よく理想の構図に流れ星が落ちるまで連写し続けます。レンズは可能な限り明るく広角のものを用意するのが理想ですが、初期装備のズームキットレンズでも流星は撮れます。
困ったら
撮れた写真が明るすぎるor暗すぎる ISO感度を下げる・あげる
星が点に撮れていない シャッタースピードを15~20秒へ
撮った写真の画質が荒い ISO感度を800へ
もっとたくさんの星を写しこみたい ISO感度を3200~6400へ
ピントが合わない マニュアルフォーカス(MF)を使って遠くの電灯、明るい星に合わせる。
この際は拡大機能を使うとよい。また、月や明るい電灯がある場合は、オートフォーカス(AF)でピントをあわせ MFに切り替えてもよい。
この際は拡大機能を使うとよい。また、月や明るい電灯がある場合は、オートフォーカス(AF)でピントをあわせ MFに切り替えてもよい。
日周運動(ぐるぐる)を撮りたい場合
基本的な設定は上と同様です。
一眼レフカメラはバルブ機能と言って数分以上シャッターを開けっぱなしにする機能があります。
しかし、シャッターを開け続けると写真にノイズが入り画質が悪くなってしまいます。
そこで、おすすめなのが「比較明合成」という手法です。
30秒で撮った画像を何枚もつなげて日周運動を写し出します。
これらの機種は期待した出来にはならないでしょう。
ただ、とりあえず撮れればよいという場合には三脚に固定し、空を写し続けます。
明るい星や流星であれば写るかもしれません。
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あると便利なおすすめグッズ
・星座早見盤
流星群の輻射点(流星はこの点を中心に出てくる)を探すのに役立ちます。
また、夏の大三角形(織姫、彦星)を形作る星や星座を探し出せます。
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・赤いセロファン
懐中電灯の光が目に入ると順応するまで時間がかかります。
そこで、赤いセロファンを懐中電灯に巻き付け、目に優しい光を作り出します。
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山ならいざ知らず、平地では蚊が尋常じゃないほど寄ってきます。
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